顧客担当者を定時で帰らせろ。BtoBマーケのWeb戦略の本質。
BtoBマーケをやっていると、やれ課題解決だ!やれ価値訴求だ!と鼻息を荒くして、どや顔で、ランディングページ、比較記事、事例記事を作り出す。これ自体は間違っていない。
我々が書いた記事は一体誰が読むのか?
BtoBなんだから、企業の担当者や経営者だろう。
そりゃそうだ。
しかし、我々は、記事やサイトに訪れる、その人の置かれている状況や気持ちまでは考えていない。
こういう広告を打てば気付いてもらえる。これを書けば見てくれる。こういう導線を引けばリードが取れる。そしてお客さんの検討は進む。そんなことばかり考えてしまう。
気が付けば、お客さんをリードと呼ぶのは当たり前になり、Aリードだ、Bリードだ、Cリードだとランク付けする。しまいにはリードナーチャリングなんて言い方までして、お客さんを「育成する」だ。
目次
BtoB商材の導入。お客さんはその仕事をやりたいのだろうか?
あなたにもこんな経験はないだろうか?
ある日の全社会議。議題はツールの導入や新しいプロジェクトの発足。社内で意見交換。最後に社長が一言「誰がやる?」そして、あなたが選ばれた。
こんな状況に立たされたとき、あなたはどんな気持ちになるだろう?きっとこうだ。
- うわ…なんで俺なんだよ
- 仕事が増えた、最悪
- ぶっちゃけやる気なし
しかし、あなたはそれを社長や上司には口が裂けても言えない。
人の目が怖い、評価が下がるのが怖い、怠慢だと思われたくないからだ。
デスクに戻ったあなたが、次に取る行動は何だろうか?きっとこうだ。
- 迷う。分からない…どうしよう…先輩に聞けない…
- 恐る恐る聞く。先輩、どうしたらいいでしょう?
- つっぱねられる。そんくらい自分で考えて。
あなたは一人だ。誰も助けてくれない。
あなたは、それでも仕事だから立ち止まれない。
あなたは、やりたくもない仕事でネット検索を始める。
さて、本題だ。
BtoBマーケのあなたが書いた記事、これは、どんな人が読むのだろうか?
企業?担当者?上司?経営者?それはただの役職だ。
あなたが作ったWebページや記事を読むのは、やりたくもない仕事を、誰にも助けてもらえない「たった一人の担当者」なのである。
BtoBのWeb戦略は「顧客担当者の仕事を手伝う」だ。
もし、あなたの会社が「ツールを販売している会社」だったとしよう。
このとき、あなたの記事、つまり、PC画面の向こうにいるのは、例えば、上司から「なんかいい感じのツール探しておいてよ」と無茶ぶりをされて困っている「担当者1人」だ。
あなたがWebを使ってやるべきことはただ1つ。
この「担当者1人」の仕事を早く終わらせてあげるということだ。
「担当者の仕事を早く終わらせてあげるってどういうこと?」と思われるかもしれない。
それでは「なぜ、そう言えるのか?」について、書いていく。
顧客担当者の社内で起きていること
あなたの記事を読む顧客担当者は、きっとこんな感じではないだろうか?
担当者は上司に対して「なんかいい感じのツール探しておいてよ」の答えを用意しないといけない。
この担当者についてもう少し、想像を膨らませてイメージしてみたい。
例えば、この担当者が「入社1年目の若手男性社員」だったとしよう。
彼はどんな気持ちであなたの記事やページを見るだろう?きっとこうだ。
- うわー上司の無茶ぶり来たー
- ツールとかどうでもいいよ
- ただでさえ忙しいのに仕事が増えたわー
- ツールを探すとかとかめんどくせー
- さっさと定時であがってビールのみてー
でも、悲しいことに彼は上司に対してそんなぶっちゃけた発言をすることはできない。
理由は、このツールを探すことになった彼は、立場上、社内では次のような動きをしなくてはならないからだ。
- 上司から指定された期限までに調査を終わらせておく
- 上司の要望、指示に沿ったツールの情報を探してくる
- 上司にどんな観点でツールを選定すると良いかのポイントを説明する
- 上司に各ツールの機能やスペック、値段などをまとめて説明する
- 上司に今回の情報収集の結果を自分の見解も含めて説明する
- これらの仕事を普段の業務とは別の業務として実行しなければならない
もし、彼がこれらの情報収集や情報の整理に時間がかかり過ぎてしまったり、つたない説明しかできなかったらどうなるだろう?
簡単だ。上司に怒られる。
- こんな調査にどんだけ時間をかけてるんだ!
- なんなんだよ、その調査結果は!全然内容が揃ってないじゃん!
- で、俺は何を基準に決めればいいの?
- あのさー、もう少し要点を絞ってまとめてきてくれないかな?
- 君はどう思うんだい?俺が答えを出さないといけないの?
あなたの記事が「顧客の担当者」を救う。
そして、ここで、あなたの出番だ。
彼は、あなたの会社のことも、商材のことも、全くもって知らない。
だって、上司に言われて初めて、それを探す立場になったのだから。
そして、これこそがあなたのチャンスだ。
あなたは、あなたの会社のことも、商材のことも、競合のことも、どういう基準で選べば良いかも知っているからだ。
それを彼に教えてあげればいい。
例えば、彼が辿り着いたあなたの記事に、次のような情報が書かれていたら、どうなるだろうか?
- 彼が探しているツールにはどんなものがあるのかが分かる
- ツール毎の特徴やメリット、デメリット、シーン毎のおすすめがわかる
- ツールを選ぶ時のポイントや他のツールとの比較基準がわかる
- 各種ツールを比較ができるエクセルの表がダウンロードできる
- 彼の調査結果を上司に報告する際の定型文まで載っている
もし、こんな記事があったら、担当者は記事を読んで、エクセルをダウンロードして、定型文に沿って調査結果をまとめて、上司に報告するだけで仕事が終わる、と思わないか?
「顧客の担当者」はあなたの記事に感謝する。
ここで、視点をあなたに戻そう。
もし、あなたが、彼と同じ立場、例えば「役職なしの担当者」だったら。
社長や上司からこれやっといて、と言われたらなんて思うだろう。
冒頭で書いたように、こう思うのではないだろうか?
- うわー無茶ブリまたきたー
- 僕のこの理解、上司と合ってるのかな
- でも、質問すると不機嫌になるしやだなー
- 普段の業務もあるから残業確定じゃん
彼(顧客の担当者)も、あなたも同じだ。
そんなとき、あなたの上司はあなたの仕事を手伝ってくれないけど、もし、あなたの前に、あなたの仕事を手伝ってくれる人が現れたら、あなたはどう思うだろうか?
- うわ、この人めっちゃいい人だ、味方やんけ!思わない?
- あれどうしたらいいですか?これどうしたらいいですか?って、いっぱい相談したくならない?
つまり、どういうことか?
やりたくもない仕事が早く片付くのは嬉しいということだ。
あなたがWebを使ってやるべきことは1つしかない。
「顧客担当者の仕事を、最速で片づける記事を作れ」だ。
「顧客担当者の仕事を手伝う」Webも営業も本質は同じ。
「顧客担当者の仕事を手伝う」
これは、Webだけでなく、営業も同じだ。
営業の商談の現場では、こんなことが良く起こる。
商談に来た担当者が「役職なしの担当者だった」とする。
- なんとなく「この人、上司から言われたことをそのまま言ってきてる感じなんだよなー」とやり取りに若干の不安を覚える
- 担当者の人が「実は、今、他社さんのA社、B社にも話を聞いているんです」「一回、今日の話を会社に持ち帰って検討してから、最終判断する形になります」と言ってくる
これは、よくある話だ。
で、大事なのは以下。
担当者は、上司からの指令にとまどいながら、あなたの話を聞きに来ている。
→だから、たどたどしかったり、おぼつかなかったりする。
担当者は、あなたや他社から聞いた話をきれいにまとめて上司に報告しなければならない。
→つまり、社内での情報共有と報告を行ってはじめてその人の仕事が終わる。
この担当者の仕事は何だろうか?
そう、自分が見聞きした情報をまとめ、社内で、上司に納得のいく説明をすることだ。
それはなぜだろうか?
この担当者は、商談で聞いたあなたの話や他社から聞いた話を、ちゃんとまとめて、自分なりの見解を含めて、上司に共有しないと怒られるからだ。
営業の商談の取り組み方として良く言われている話の一つに、「商談後は必ず打合せの要点をまとめた、議事録を送れ」というものがある。
これは、商談に来た担当者の、社内での情報共有を楽にすることで、その先の話がスムーズになるからだ。
だから、あなたが、商談の後、話をした担当者に、以下のような情報を、メールの内容をコピペして上司に送るだけで済むようにしたら。
- 今日話した内容はこれです、要点はこれです
- あなたの会社にとってはこういうメリットがあります
- 御社では、この点を検討していただくと良いです
ここまで出来たら、担当者さんは、「うわーこの会社の営業さん、ちゃんと対応してくれるわ。楽でいいわー」と思い、味方になってくれるかもしれない。
なぜならこの担当者さんは社内で上司に相談しにくいし、誰も助けてくれないからだ。
あなただけが唯一の理解者であり、手助けをしてくれる味方、ということだ。
顧客担当者の仕事が早く片付くとどうなる?
この担当者が、あなたとの打ち合わせの内容を、ちゃんとまとめて上司に報告したら、上司だって担当者を褒めるだろう。
「おおーよくいい感じに報告してくれたね、ありがとう」って。
そして、担当者さんは目の前の仕事を早く片付けられれば、定時で帰れる。
そして、報告を受けた上司も「この会社だったら一回、話聞いてもいいかもな」と思ってくれるかもしれない。そうなれば、あなたの商談は受注に向けて一歩進むことになる。
BtoBの営業現場では、よく、「早く決裁者を引きずり出せ」みたいな話がある。
これを達成する方法は1つしかない。
商談に来てくれた担当者さんが「上司にきちんと説明する」という仕事を早く終わらせられるようにする、ということ。
なので、営業もWebも実はやるべきことは1つ。
- 目の前の担当者の仕事を
- 質高く、早く、楽に片付けさせて
- 定時で上がってもらう
BtoBマーケの本質は「顧客の不」の解消。
お客さんは困っている。お客さんは不安でいっぱいだ。
課題解決は正しい。が、きれいごとだ。
社会は厳しいし、仕事では辛いこともたくさんある。
ただでさえ普段の業務で忙しいのに商材の導入なんてやらされたら…
私は、BtoBマーケ・営業の本質は、お客さんの不の解消だと思っている。
そして、マーケも営業も、自社の商材、業界、競合に詳しいのであれば、それはお客さんにとって「価値」なのだと思っている。BtoBのWebマーケでは、それを惜しみなくやりたいところ。
こんなスタンスで研修講師をやっている。
良かったら、研修のページや無料受講を見てみてください。
「営業ロジックで構築する」BtoBのWebマーケティング実践研修
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Xアカウント:空閑 由次(SUSUME講師)
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