BtoBマーケターよ。良質なリード獲得施策は「商談記録(BANT)」から生まれる。
こんにちは!
SUSUMEでBtoBマーケティングの研修講師をしている空閑(くが)です!
BtoBマーケターの皆さん、こんな悩みはありませんか?
- Web等の集客施策でリードは取れているのに、商談につながらない
- 広告やコンテンツマーケ、記事作成をやっているのに、問い合わせが増えない
- 商材の価値訴求、顧客の課題解決のために何をやればいいのか分からなくなってきた
これらの原因はほぼ同じところにあります。
Webで発信している情報が、お客さんの本当の課題とズレているからです。
では、お客さんの本当の課題はどこで分かるのか?
答えは営業の商談の中にあります。
この記事では、商談記録をBANTという形式で整理して、Web集客のネタに昇華させる具体的な方法を説明します。
目次
Web集客の本当の成果は数字だけでは測れない。
BtoBマーケターの多くが、リード数や商談数、受注数、商談化率や受注率といった「数字」ばかりを気にします。これはこれで間違っていないです。
数字は誰が見ても解釈のズレが起きない事実であり、数字によりどこにボトルネックがあるのかが分かり、事実をもとに勘や経験を排除した次の一手を決めることができるからです。
しかし、BtoBビジネスはWeb集客だけでは売上・受注を作ることはできない。これもまた事実です。
ほとんどのBtoB企業では、売上・受注を作るには必ず、営業と顧客の間で繰り広げられる商談が不可欠です。
何が言いたいのか?
BtoBのWeb集客の本当の成果は「商談記録でしか確認ができない」ということです。
なぜかって?
Web集客したお客さんは資料ダウンロードや問い合わせによってCVし、リードになり、その先の商談に進みます。
つまり「商談に来たお客さんはWeb集客したお客さんの実態そのもの」ということです。
マーケターの仕事って何だっけ?
商談の中でお客さんは色々なお話をするでしょう。
解決したい課題とか、いつまでに何がしたいとか、どのくらいのコストをかけようとしているのかなどなど。
では、マーケターの方に質問です。
あなたの仕事は何ですか?
もし「顧客の課題解決だ!」「商材の価値訴求だ!」というのなら。
その「顧客の声」を聞かないのは、果たして、正しい選択なのでしょうか?
その商材の価値は誰が判断するのでしょうか?お客さんじゃないでしょうか?
つまり、BtoBマーケターにとっても「営業の商談記録を見る」ということは、非常に重要なタスクなのです。
マーケは商談に興味がない。
ただ悲しいことに。
マーケターというのは、面白いぐらいに商談に来たお客さんのことを見ない。
理由は簡単だ。自分の成果ではないからだ。
さらに、Web集客となると挙句の果てには「とりあえず記事を量産しろ!」「記事はAIに書かせればいいじゃん」なんてことをいう人までいる始末。
少し前はSEOだ!現在はLLMOだ!と数字やテクノロジー至上主義がBtoBマーケ界に、はびこった結果、中身のない、しょうもない記事が量産された。
これは検索エンジンやAIの精度向上によって淘汰されていくと私は思っています。
人間より頭の良いAIが、しょうもない記事を「価値がある」と判断するとは到底思えないからだ。
しかし、本当にそれでいいのだろうか?
顧客理解の「顧客」ってどこにいるの?
マーケターが成果を出すには、顧客理解が不可欠だ。商売の本質は顧客の課題解決だから。
であれば、その顧客の姿・声に、興味なし・無関心で成果など出せるはずがない。
AIの話を例に出したが、AIは、一次情報の質がアウトプットの質を決定づける。
ネットに転がってる情報、適当な指示出し、ここには良質な一次情報なんてものはない。
AIを使うにせよ、使わないにせよ。
良質な一次情報なしに、良質な記事もWebページも、広告も作ることはできないのだ。
では、その良質な一次情報はどこにある?
間違いなく商談だろう。間違いなく営業の頭の中だろう。まちがいなく人間の経験だろう。
この「人間にしか無い一次情報」はこの先のAI時代、確実に価値が高まると、私は見ている。
商談から目を背けるマーケターは成果を出せない。
商談は情報のカオスだ。ドロドロしてて、決してスマートとは言えない。
しかし、商談記録を確認しないとお客さんの実態を掴むことはできないし、お客さんが自社にとって良い顧客だったのかも分からない。
そして、マーケターは、商談に来てくれるようなお客さん、受注につながるようなお客さんを集めてくることが最大の課題ではないだろうか?
なので、BtoBマーケターにとって商談記録をしっかり見ることは、自身の成果を上げることにつながるのです。
では、本題。商談記録をWeb集客に活かすには?
まず、商談記録を整理することから始めよう。
先ほども触れましたが、BtoBの営業は、情報が渦巻き、バラバラに撒き散らされた「カオス」の中で商談をしています。
なので、マーケターや営業が、個人が思うがままに商談記録を整理しようとすると、人によって粒度にバラつきが出ますし、要点が分かりづらくなってしまいます。
そこで私は、この「情報のカオス」をカオスのままにしないために、シンプルかつ作業負担の少ないフレームワークとして「BANT」を推奨します。
商談記録の整理は「BANT」形式がおすすめ
「BANT」は営業が商談した「顧客の質」を測るためのフレームワークです。
このフレームワークでは営業が商談した顧客について「その顧客を追うべきか、そうでないか(自社にとって良い顧客か、そうでないか)」を測る判断基準を4つ設けています。
- 商談内容・顧客の声の共有の型「BANT」
- Budget (予算): 顧客が導入にかけられる予算。上限や確保状況。
- Authority (決裁権): 最終決定権を持つ人物や、社内決裁ルート。
- Needs (必要性): 顧客の背景、課題、導入目的、自社で解決できるか。
- Timeframe (導入時期): 具体的なスケジュールや導入の時期。
正確なBANT情報でなくても構いません。マーケター・営業のA、B、Cが共通の項目(BANT)にあてはめて商談記録を整理するだけで、皆さんの会社では「常に同じ観点」で商談結果や顧客の声を把握できるようになるのです。
商談記録の共有に関する余談
この記事では「マーケターが商談記録を整理する」という話を書いていますが、一番理想的なのは、実際に商談した営業が商談記録をBANTにまとめて共有してくれることです。
しかし、これが厄介。
理由は簡単で、営業は商談記録を集客に活かそうとは思わないから。(営業は受注できれば集客経路なんてどうでもいいと思っている)
営業が集客に無関心という話は、マーケが商談に無関心という話と構図は同じです。
お互いにKPIが違うからです。
しかし、営業がやってくれないからやらなくていい、というのは僕は違う気がするんです。
営業は目の前のお客さん対応で手一杯です。「集客のところはマーケター、頼むよ!」というのが本音です。これは分かってあげましょう。
なお「営業とマーケターがうまく連携するには?」というのは、BtoBマーケティングで一番難しいテーマだと私は思います。
この点については、むしろ、会社としてきちんと、取り組んだ方がいいと思いますね。
本題からそれてしまうので、営業とマーケの連携の話はここまでにします。
以降で、商談記録(BANT)からWeb集客のネタに落とし込むまでの、具体的な方法を説明します。
商談記録を「BANT」形式に整理する方法
絶対の鉄則:事実と意見は分けて書け。
第1ステップは「商談記録を整理する」です。
ここで、1点だけ、絶対に意識してほしいことがあります。
「事実と意見」。これらを分けて書くということです。
「事実と意見を区別する」というお話は、かなり重要なお話なので、もう少ししっかりと説明したいと思います。
ここでは、「BtoBマーケティングのコンサル会社における商談」という例を挙げて、商談記録・お客様の声を、事実と意見を区別しながら、BANT形式にまとめる流れを説明します。
商談記録の整理の仕方:とある商談内容の例
営業と顧客C社の商談の内容:
商談ではC社からこういうお話が聞けたとします。
- 弊社は製造業向けの工業製品を販売しているメーカーです。私は役職なしです。
- 結構、ニッチな業界ということもあり、業界内での紹介で案件を取ってきています。
- しかし、最近社内で、新規開拓もやった方がいいよねという話が出ており、Webマーケティングに力を入れようと考えています。
- ただ、弊社の中にはWeb担当がおらず、また、マーケティングに詳しい人がいないので、今回、御社のコンサルティングを検討しています。
- 御社はマーケティングコンサルにお強いと見ていますが、弊社のようなニッチな業界での事例はあったりしますか。
- コンサルを受けるかどうかは未定です。予算取りはこれから行われます。具体的な金額感のレンジなどは未確定ですが、現在、複数社のコンサル会社さんから見積もりを集めています。他社さんからの見積金額の詳細はお伝えできませんが、だいたい年間◎万円くらいの会社さんが多いです。
- 今後、社内検討のうえ、やると決まったら時期は早い方がいいです。
- 私は御社のコンサルは結構いいなと思っています。
商談記録の整理の仕方:BANTに落とし込む(事実ベース・意見ベース)
では、この商談の情報から、顧客の声を事実ベースと意見ベースでそれぞれで、BANT形式に落とし込んでみたいと思います。
なお、以下に書く具体例は、営業が商談記録をBANT形式にまとめて、それをマーケターに共有するというシナリオで書いています。
まずは事実ベースでBANTにまとめたものはこちらです。
- 予算感 :コンサル受けるかどうか未定。予算取りはこれから。予算感の参考情報として他社の見積を集めている段階。年間◎万円程度が多い。
- 決裁権 :役職なしの方。今後社内検討が挟まれる。担当者レベルでは好印象な反応。
- 要望 :製造業向けの工業製品を販売しているメーカー。案件獲得が紹介に依存。新規開拓のチャネルが必要。Webが選択肢に挙がるが専門のスタッフがいない。事例が欲しい。
- 導入時期:現時点では未定。決まったら早い。
続いて、今度は、意見ベースのBANTです。太字のところが「意見」です。
- 予算感 :他社は年間◎万円くらいの見積を提示。弊社はもっと安いのでいける。
- 決裁権 :役職なしの方。今後社内検討が挟まれる。
- 要望 :Webマーケティングのコンサルを希望。弊社のAプランが合いそう。
- 導入時期:決まったら早いらしい。好印象だったので多分2か月くらいで決まりそう。
事実ベースと意見ベースのBANTの違い
2つのBANTの内容は、だいぶ意味が変わってきますね。
事実ベースのBANT:
お客さんが「言った」ことだけが書かれています。
商談におけるお客様の発言は「事実」です。
BANTの内容を見る限り、このお客様の受注確度などは測れない状態です。
意見ベースのBANT:
「お客さんが言った」ことと「営業がこう思う」が混在して書かれています。
商談におけるお客さんの発言は「事実」です。
「営業のこう思う」は事実ではありません。あなたの「意見」です。
今回のC社との商談は、これから色々と詰めないと顧客の確度などは測れないというのが正しいですが、営業がこのお客さんはいくらくらいで、いつくらいに契約できそうという書き方をしてしまっています。
2つのBANTの違いをまとめると以下です。
- 事実ベースのBANTは、その顧客の確度を測るにはもっと時間がかかる。ことを示している。
- 意見ベースのBANTは、その顧客の受注金額や時期まで決まっているように見える。
意見ベースのBANTが引き起こす問題
この違いは以下のような問題を作り出します。
- 会社的に:C社の案件は受注見込みとして売上予測に入れられてしまう(期ズレなど、受注できなかった場合の影響大)
- 営業的に:本当は追客や関係強化に向けて動くべき案件だが、「いける気がする」という頭になっているため取り逃がす恐れがある。(受注できたかもしれないのに出来なくなる)
- マーケ的に:この顧客C社はWeb集客において「うまくいった顧客」として扱われてしまう(本当はそうじゃないかもしれないのに、改善は不要で、現状のやり方のままでいいという判断をしてしまう)
商談記録の整理は「事実と意見を区別する」が大事。
こうした問題が起きてしまうので、事実と意見は区別して書きましょう。
特に営業とマーケの間では、今回のような認識の齟齬があると、Web集客の改善が行われないという結果になり得ます。
とはいえ、BANTには事実だけ書かなくても良いです。
事実と意見が区別できれば問題ないからです。
また、営業がお客様に行った提案も「事実」なので、書いてあげた方が商談記録を共有された人も「営業はこういう提案をしたんだな」ということがすぐにわかります。
事実と意見を区別したBANTの例
今回の例でいくと、以下の意見ベースのBANTは、
- 予算感 :他社は年間◎万円くらいの見積を提示。弊社はもっと安いのでいける。
- 決裁権 :役職なしの方。今後社内検討が挟まれる。
- 要望 :Webマーケティングのコンサルを希望。弊社のAプランが合いそう。
- 導入時期:決まったら早いらしい。好印象だったので多分2か月くらいで決まりそう。
以下のように書いてください。
- 予算感 :他社は◎万円くらいの見積を提示。(意見:弊社はもっと安いので価格面では競合より優位性があるとみている。)
- 決裁権 :役職なしの方。今後社内検討が挟まれる。
- 要望 :Webマーケティングのコンサルを希望。(意見:他社より安く提案できると考えたので、まずは、弊社のAプランを提案した。)
- 導入時期:決まったら早いらしい。(意見:担当者は好印象だった。こういうケースでは2か月くらいで決まることが多い。)
このように「お客さんが言ったこと(事実)」と「あなたが言ったこと・考えたこと(意見)」が区別できるように書いてあれば、問題ありません。
このBANTを共有された人は、お客さんの実態と営業の見解を、事実と意見を区別して、理解できるようになるからです。
商談記録の整理はきれいにできなくてもいい。
もし、BANTにきれいにまとめて書くのが難しい、そんな暇がないという場合は、きれいに書かなくてもいいです。その代わりお客さんが言ったことをそのまま書いてください。
今回の具体例でいくと、例えば以下のような感じです。
- 予算感 :コンサルを受けるかどうかは未定です。予算取りはこれから行われます。具体的な金額感のレンジなどは未確定ですが、現在、複数社のコンサル会社さんから見積もりを集めています。他社さんからの見積金額の詳細はお伝えできませんが、だいたい年間◎万円くらいの会社さんが多いです。
- 決裁権 :担当者は役職なしです。担当者は御社のコンサルは結構いいなと思っています。今後、社内検討。
- 要望 :最近社内で、新規開拓もやった方がいいよねという話が出ており、Webマーケティングに力を入れようと考えています。弊社の中にはWeb担当がおらず、また、マーケティングに詳しい人がいないので、今回、弊社のコンサルティングを検討しています。製造業向けの工業製品メーカーのようなニッチな業界での事例はあったりしますか。
- 導入時期:やると決まったら時期は早い方がいいです。
冗長にはなりますが、書かないより圧倒的に良いです。
商談情報をメモしない、共有しない、が最も悪い選択です。
ヒアリングの仕方とか、まとめ方は慣れればそのうち出来るようになります。
まずは、顧客との商談内容、顧客がどんなお客さんだったかを、ちゃんとメモして、Web集客の関係者にも共有してあげましょう。
大事なことは、最初から完璧を目指さなくて良いということです。
そのメモがWeb集客を劇的に変えるヒントになり得ます。
商談記録の整理にAIを使うのも手。
商談情報・顧客の声の吸い上げに関する補足です。
今はNotebookLMなどの生成AIがオンラインミーティングの録画動画やメモをうまくわかりやすくまとめてくれます。
なので、お客さんから聞いたメモをそのまま生成AIに読ませて、「この商談をBANT形式でまとめて出力して」と言えば数秒で、まとめてくれます。
それをみんなに共有する形でもいいです。(機密情報をAIに読ませないようにするなどの情報管理は徹底しましょう)
例えば、マーケターが、「営業の商談内容を知りたいな」と思ったときには、NotebookLMに対して、以下のようなプロンプトを入力して商談記録を整理させるといった感じです。
プロンプトの例:
営業〇〇と〇〇様との商談について、簡潔に、以下を、出力してください。
概要 :
背景 :
目的 :
検討状況:
予算 :
決裁権 :
要望 :
時期 :
次の動き:
厳密には「予算・決裁権・要望・時期」の部分がBANT情報に該当しますが、今回の例では、そのお客様の背景や目的、営業がどう動く予定かなども出力させています。
理由は、そうすることで、その商談の全体像やネクストアクションへの課題感も掴めるからです。(営業の次の一手次第で、お客さんの検討は止まる≒受注は遠のく)
私の感覚値ではありますが、NotebookLMの精度は90%くらいのように考えています。
ただ、営業とお客様の会話の微妙な温度感まではNotebookLMは理解できないため、時々ニュアンスを取り違えてしまうことがあります。
例えば、お客様が「この製品いいな、ぜひ導入したい」と発言したけれども、営業は経験上、お客様の言葉は鵜呑みにせずに、慎重に事を運びたいと思っていたとします。
このような場合でも、NotebookLMは出力結果の「決裁権」などの箇所に「導入前提で進めたい意思あり」のような出力をしてしまいます。
これはこれで間違っていないのだとは思いますが、出力した商談情報は、必ず商談を行った本人に確認を取り、営業との間で合意を取るようにしましょう。
まあ、そのような微妙な誤差は生じることがありますが、それでもNotebookLMのような生成AIツールは、商談情報・顧客の声を吸い上げるには非常に便利なツールです。
商談記録をWeb集客に活かす際の考え方
商談に来た1社の背後には、似た課題を持つ100社がいる。
では、ここからが本題です。が、先に前提から。
Webというのは悩みのある人たちが、悩みを解決するために、検索といった情報収集を行うツールです。
よく言われるのは、自分が悩んでいることは他人も悩んでいるのだから、それを記事に書けば誰かの役に立つという話です。僕はその通りだと思います。
で、これはBtoBの場合も同じです。
なので、商談に来てくれたその1社の背後には、その1社と似た課題感を持つ企業さんが100社はいるのではないか、と思います。
むしろ、それらの会社さんにリーチするためにWebという集客手段があるわけです。
商談記録は1対1の提案。個別提案を100社向けの提案へ昇華させる。
では、本題に戻ります。
商談記録・顧客の声を、どのようにして「背後にいる未だ見ぬ100社に向けた情報」に昇華させていくか?についてお話しします。
結論から言います。1社の課題・悩み、それに対する営業の提案を、「そのまま」お役立ち記事に書くのはおすすめしません。(※守秘義務の観点も忘れないでおきましょう)
理由は「1社の話は、あくまでその1社個別の話」だからです。
Webでは不特定多数の1未だ見ぬ00社があなたの書いた記事やページを見ます。
そのため、1社向けの提案というピンポイント過ぎる書き方をしてしまうと、読んでいる方が「この記事の内容は、うちに合っていそうだけど、うちのケースとはちょっと違うかも」という感じで、自分事化しにくくなってしまいます。
1対1の課題解決を1対多の課題解決に抽象化する。
とはいえ、「1社への提案をそのまま書かない」と言われても、少し分かりづらいですよね。
「とあるツールをお客様に提案している」という具体例を挙げて補足します。
例えば、あなたが商談したZ社の、担当者からこんな悩み(顧客の声)を聞いたとします。
「うちの経理部、月末になると某有名会計ソフトAのデータと表計算ソフトAの売上管理表を目視で突き合わせる作業があって、毎月3日も残業してるんです…」
それに対して、あなたは自社のツールを使った見事な提案をして、受注しました。
「それなら、弊社のツールを使えば、某有名会計ソフトAのデータと表計算ソフトAを自動で連携できるので、残業ゼロになりますよ!」
さて、これをWeb集客の記事にする時、次のようなタイトル、そして、内容で書いてしまったらどうなるでしょうか?
× NG例:某有名会計ソフトAのデータと表計算ソフトAの目視チェックを自動化して、経理部の残業をなくす方法
確かにZ社には刺さる内容です。
しかし、この記事を見た別の会社(未だ見ぬ100社)はどう思うでしょうか?
「うちは某有名会計ソフトAじゃなくて、会計ソフトBだから関係ないな」
「うちは経理部じゃなくて、営業事務が表計算ソフトBでやってるから違うな」
と、自分ごととして捉えてもらえず、スルーされてしまいます。
1社の個別ケース(固有名詞)をそのまま出しすぎたため、他の99社を逃してしまうのです。
これを、背後にいる100社に届けるためには、「その悩みの根本にある共通の課題は何か?」と一段階引き上げて(抽象化して)書く必要があります。
○ OK例:会計処理で使っている複数のシステム間で発生する「手入力・目視チェック」を自動化し、月末の残業をなくす方法
いかがでしょうか?
これなら、会計ソフトAを使っていようが、会計ソフトBだろうが、経理部だろうが営業事務だろうが、「あ、うちの会社でも起きている、会計処理の手作業による非効率解消の話だ!」と、100社全員が自分ごととして記事を読んでくれます。
商談記録をWebの集客施策に落とし込む方法
まず、BANTを見よう。
では、「BANT」形式にまとめられた商談情報を、どうやって1対100の提案に落とし込むか?についてお話しします。
まず先ほど例に挙げたWebマーケティングコンサルに相談をしていた、個別案件C社のBANTを振り返りましょう。
- 予算感 :コンサル受けるかどうか未定。予算取りはこれから。予算感の参考情報として他社の見積を集めている段階。年間◎万円程度が多い。
- 決裁権 :役職なしの方。今後社内検討が挟まれる。担当者レベルでは好印象な反応。
- 要望 :製造業向けの工業製品を販売しているメーカー。案件獲得が紹介に依存。新規開拓のチャネルが必要。Webが選択肢に挙がるが専門のスタッフがいない。事例が欲しい。
- 導入時期:現時点では未定。決まったら早い。
顧客C社のBANTはこのようなものでした。
商談記録を集客につなげる3つの視点と具体例
Web集客では、以下の3つの視点を持っておくと良いです。
- ①顧客はなぜあなたの会社に相談したのか?(背景・きっかけ)
- ②顧客は何を悩んでいてあなたの会社に相談したのか?(課題感・悩み)
- ③あなたは顧客にどんな解決策を提示し、提案したのか?(解決策・提案)
では、このC社のBANT情報と「3つの視点」を掛け合わせると、どうなるか?
ちょっと想像力を働かせるだけで、Webの記事ネタが無限に湧いてきます。
例えば、こんな感じです。
「①背景:案件獲得が紹介に依存している」なら、同じ悩みを抱える経営層向けに「紹介依存リスクから脱却するBtoB営業手法」という記事が書けそうです。
「②悩み:他社の見積を集めている」なら、顧客は比較検討で迷っているはず。
「Webコンサル会社選びのポイントと各社の違い」という比較記事が喜ばれます。
「③解決策:事例が欲しい」と言われたなら、まさに自社の「導入事例・インタビューページ」を作って置いておくのが武器になります。
よくある質問・頻度の多い説明は「Webに上げろ」のサイン
解決策・提案に関して。
商談ではこんなこともよく起きていませんか?
- そういえば、この質問、よくされるんだよな
- そういえば、この説明、何回もしているな
これは、その情報をWebに載せろというサインかもしれません。
- よくある質問はみんなが気になっていること
- その説明をさせられるのはみんなが気になっているから
「2度あることは3度ある」
お客さんが気になっていることは積極的にWebで発信していきましょう。
そうすることで100社がWebでお悩み解決できるようになります。
この記事のまとめ:「商談記録は宝の山」
いかがでしょうか?
難しい分析なんかしなくても、皆さんが普段行っている「商談の記録(BANT)」を見返すだけで、実はWeb集客のネタ(宝の山)がザクザク見つかるのです。
目の前の顧客1社の背後には、同じ悩みを持つ顧客が100社います。
あなたの商談記録が、Webマーケティングの成否を分けるのです。
BtoBマーケティングは「マーケと営業の共闘」が成否を分ける。
私は、営業とマーケの共闘こそがBtoBマーケティングを強くするというスタンスで、研修をしています。
もし、僕の考え方に共感いただけたなら、ぜひ、研修のランディングページを見ていただけると嬉しいです!
「営業ロジックで構築する」BtoBのWebマーケティング実践研修
https://susume.business/lp/btob-web-marketing/
なお、この研修は動画研修+フォローMTGで「第1章は会員登録で無料受講」できます。
よかったら以下のリンクから第1章を見てみてください。
【動画研修受講ページ】「営業ロジックで構築する」BtoBのWebマーケティング実践研修
https://member.susume.business/study/curriculum/22
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